代表の岡田です。最近お客様から、アスベストパッキンの処理についてよく聞かれます。

なので、今回はもうちょっと詳しくブログに載せようと思いました。

アスベストパッキンとは

アスベストパッキンとは、主にダクトパッキンやガスパッキンによく使用されているアスベストを含有したシール材です。

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アスベストレベル

アスベストレベル1は石綿の除去、レベル2は封じ込めや囲い込みなど、アスベストの作業レベルがあります。

アスベストパッキンは色々なアスベスト関連のマニュアルを読むと、以下の文のようにアスベストレベルには該当しないとあります。

本作業は作業レベルⅠ~Ⅲに該当しないが、石綿則に基づく取り扱う作業に該当し、工 事関係者以外の立ち入り禁止、非飛散性石綿除去作業等の表示などが適切に行われること、 裁断、切断を伴う場合があるので、湿潤化を十分行うなどの飛散防止を図る対応に注意が 必要である。また、施設管理者が直接作業を行う場合も下記の作業手順に準じて行うこと が望ましい。 また、作業記録に関しては、契約図書等で定められた通常の施工管理記録を作成するものとする。

(アスベスト対応マニュアルから抜粋)

 この文章からもわかるように、アスベストレベルには該当しないが発じんの状況によっては、レベル2やレベル3の作業に該当するということです。例えば、元々は硬く成形されていたパッキンが、何十年も経って劣化し、毛羽立っている状態になる場合があります。そういう時には、レベル2対応となります。当社が今まで工事してきた中では、レベル3が一番多かったです。

処理方法と処分方法(レベル3での作業)

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上の写真のようにあきらかに毛羽立っている場合は、レベル3で対処します。

ボルト部を外さずに処理する場合は、アングル部をガムテープで養生し、下の写真の箇所を切断します。その後、2重梱包で特別産業廃棄物処理とします。

アスベスト説明

アスベストパッキン

  ダクト切断前               ダクト切断後

このようにアングル部を残して切断し、2重梱包します。

また、ボイラー等でパッキンが使用されている箇所の場合は、ボルト部を外し、湿潤剤を噴霧してパッキン部を剥がします。ボイラーのアスベスト箇所は、ボイラーメーカーさんに問い合わせすると、丁寧に教えてくれます。図面のどこにアスベストを使用しているか載っています。

ボイラー1

準備と作業手順

●準備するもの

①服装

主に、保護衣、手袋、アスベストレベル3対応のマスクです。

②道具類

○ボルトを外さない場合

セーバーソー、湿潤剤、噴霧機、ガムテープ、アスベスト用袋(黄色袋・透明袋)工事看板等

ボルトを外す場合(ボイラー等の部分切断できない場合)

○レンチ類、湿潤剤、噴霧機、アスベスト用袋(黄色袋・透明袋)、工事看板等

③計画書(アスベストレベル3の計画書)

●作業手順

作業手順は、養生 → ダクト切断 → 2重梱包 となります。

事前準備の方が大変と思います。

収集運搬

特別産業廃棄物となるので、特別産業廃棄物の収集運搬許可を持った業者が、中間処理及び最終処分地へ運搬します。工事業者さんで、元請けの場合は自社運搬可能です。

処分

当社の場合、処分は2重梱包した後、アスベスト含有廃棄物を受け入れてくれる最終処分場で埋め立て処理します。

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パッキンごと切断           特別産業廃棄物  収集運搬

いずれもその地域の行政担当者さんによって見解が異なる場合が多いので、必ず聞いて従ってください。当社も同じ事例の工事で、ある地域ではレベル3なのに、違う地域の担当者さんではレベル2(届出が必要)と言われたこともありました。どうしても低いレベルで工事したい場合は、その安全性の根拠を提示すれば思いますが、その労力を考えると従った方が早いと思います。

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湿潤剤が必要な方は、連絡いただければ500mlで2160円(税込み)で販売しています。20倍から30倍で希釈して使用できます。

当社のホームページにもアスベスト関連の情報を載せていますので、よければ見てください。

ホームページ → https://plum.conohawing.com/Contents5C.htm

NDロック

最後に、アスベストパッキンでもっと詳しく知りたい方は、「アスベスト含有シール材除去回収ガイドライン」で検索したら、めちゃくちゃ詳しく出ていました。

今後もアスベスト関連の情報があれば載せていこうと思います。

-----2023.02.24追記-----

2023年(令和5年)10月から、石綿事前調査には建築物石綿含有調査者の資格が必要になりました。

詳しくは下記のページに書いてあります。興味のある方は一度ご覧ください。

建築物石綿含有建材調査者の取得

 こんにちは。営業主任の岡田です。アスベストの規制が強化されてきました。屋根工事をしていると、アスベストの入ったスレートが関わってくるので、建築物石綿含有建材…

石綿事前調査結果の報告の実施

2022年(令和4年)の4月から、アスベストの事前調査結果報告の電子申請を行うことが義務付けられました。 弊社では、それに対応するため石綿含有建材調査者の資格を取得し…